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『恋鳴き』

 投稿者:ヨーコ  投稿日:2017年 6月12日(月)21時58分16秒
返信・引用
  突発SS…ですけど、思い付いてから随分時間が経っちゃって;
パラレルです。



「ワンッ!」
「どうした、ロロノア?」
突然犬の鳴き真似など。
読みかけの本から目を離した主人にしたり顔を見せるのは、この家の居候ゾロ。
現在大学生。
「ブブー。残念」
「?」
「今のは犬じゃなくてパンダの鳴き真似でしたー」
「パンダも鳴くのか」
聞いたことがない。
「おう。アンタでも知らないことあんのな」
「専門外の分野なのでな」
動物には詳しくない。
「ま、これは雑学だもんな」
ゾロはニヤリと笑って、得意気に解説を始める。
いつもは大学で教鞭を執るミホークに教えてもらうことばかりなので、立場が逆転したようで嬉しい。
「恋鳴きっつーヤツだって」
ほかにも“メェメェ”とかヤギみてぇに鳴くこともあるらしいぜ。
今朝の情報番組で仕入れた知識だった。
「ほう。パンダは発情期が短いと聞くが・・・」
今日はその貴重なチャンスか?
「お・・ッ、俺はパンダじゃねーし/////」
色っぽい話だったと気付いて頬を染めるゾロに、
「そうだな。どちらかというと猫か」
面白そうに口角を上げるミホーク。
「猫って・・・」
「パンダと違って通年発情期があるという意味で言ったのだが」
「はぁあ!? それを言うならアンタの方だろ」
俺の誘い断ったことねぇじゃん!
「それはまあ、気持ちの上では常にお前を抱きたいと思っているから仕方のない話だ」
「・・・えっ?」
否定されると思って言った言葉をさらりと肯定され、返答に困ってしまったゾロはそのまま年の離れた恋人を見つめた。
「お前に負担を掛けることはわかっているが、求められた時くらいは応じてもよかろう?」
日頃は生徒をはじめ同僚にも恐れられることが多い鋭い金の瞳が、今は優しく、懇願するように細められていた。
「・・・んだよ、それ」
悔しそうに唇を噛んだゾロは、今まで心の底で思っていた疑問を口にする。
「アンタから誘われたことなかったのって、俺の体を気遣ってなのかよ?」
「8割程度はそうだ」
「は?」
んじゃ、あと2割は?
「強引に仕掛けて嫌われるくらいなら、お前からの誘いを待った方が良いと思っている」
真面目な顔で答えられ、ゾロは思わず笑ってしまった。
「・・っはは。んなことで嫌わねぇから」
イイ大人が遠慮してんなよ。
唇を寄せて、今度は意思を持って明確に誘う。
「分別ある大人は得てして遠慮がちなものだ」
そうは言っても、熱い口付けを交わした後は徐々に行為が激しくなっていき・・・
ベッドから起き上がれなくなるほど愛でられたゾロをして、
「・・・これで遠慮がなくなったら、俺死ぬかも」
と言わしめるほど、愛を確かめ合った。
「悪かった」
謝られ、慌てて否定。
「あ、違ぇよ。マジで死ぬわけじゃねぇから」
「しかし・・・」
辛いのは確かなのだろう?
「・・・バカだな、アンタ」
苦笑した後、
「死ぬほど気持ちイイってことだっつーの/////」
小さく告げて恥ずかしさに枕に顔を押し付けたゾロは、
「では次は遠慮なく」
という笑いをこらえた声音での台詞を耳にしてピクリと反応。
「・・・それって今日じゃねぇよな?」
おそるおそる尋ねて、
「俺は今すぐにでも構わんが」
予想通りの返答に表情が固まる。
「えっと・・・」
「冗談だ」
ゆっくり休め。
大きな手で髪を撫でられ、ほっと息を吐く。
「いつかアンタにも、天国見せてやるからな」
負けず嫌いな宣言に微苦笑したミホークは、
「楽しみにしている」
答えを聞いて安心したように眠りに就いた恋人を見守り、
「今のままでも充分なのだがな」
形の良い額にキスを落として、自分も横になった。

その後、宣言を実現させる為かどうかは定かではないが、ゾロの恋鳴きが頻繁になったとか。
パンダは一夫多妻制だし猫は雑婚だと聞くが、もちろんミホークもゾロも外の人間と肉体関係を持つつもりはなく・・・
この先も、将来を約束した二人のどちらかが本当の天国に召される日まで、愛が揺らぐことはないのだった。




めでたしめでたし。


先月ものしりじゃんけんで知ったパンダの恋鳴き(*^^*)
いつか形にしようと思ってたんですけど、今日U野動物園のパンダに赤ちゃんが生まれたというニュースを見たので、慌てて書きました(^o^;)
久々の更新なのに練れてないSSで申し訳ありません~(>_<)
 
 

『素』

 投稿者:ヨーコ  投稿日:2016年10月11日(火)05時59分29秒
返信・引用
  久々の突発SSです。
『NGO。』シリーズの二人ですが、皆様設定覚えてらっしゃいますかねf(^^;
一応説明させていただきますと、若手俳優ゾロとベテラン俳優ミホ様は一緒に暮らしてますvvv
で、ゾロは不器用で、NGを出す達人なんです(^_^;)))



「俺、役者に向いてねぇのかな」
テレビ画面には、バラエティ番組で失敗談を話すゾロが映っていた。
天然キャラが受けてそういう系のオファーが増えているのだ。
「こういう仕事はしたくないか?」
俳優ならば、トークより演技して稼ぎたいと思うのは当然だろう。
「ははっ。こーゆーのも嫌いじゃないぜ」
思ったまんま喋ってれば進んでくし、NGねぇし。
そう答えつつも、ふうう、と珍しくため息を吐いた年の離れた恋人を見て、ミホークは確認せずにいられなかった。
「俺に嘘を吐く必要はないのだぞ?」
自分の事務所を立ち上げたてのベテラン俳優ミホーク。
その時、色々手を回して若手俳優であるゾロを獲得したわけだが、もしかして移籍後の仕事のセレクトに不満があるのかと心配になる。
NG王と呼ばれ話題性もあり、かなり人気も出てきたので、スケジュールが過密になっているのは事実だ。
ただ、それでもいつも元気に見えるゾロだけに、知らないうちに無理をさせているのかもしれない。
「嘘は吐いてねぇ。悪ィ」
アンタと居るのにテンション下がってて。
困ったように笑って、ソファに並んで座っていたミホークの肩に鮮やかな緑の頭を預けるゾロ。
心地よい重みに、その芝生のような髪を撫でながら、
「忙し過ぎるか?」
と訊いてみる。
「いや、そんなことねぇけど」
ちょっと思うとこあってさ。

ゾロは、先日見たトーク番組で、ミホークがインタビューに答えていた内容を思い出していたのだった。
「舞台本番に入った瞬間に、積み重ねた自分が解放される」
的なことを言っていて、なんて役者に向いている人なんだろうと感じた。
自分はどうだろう?
確かに演じているのは楽しい。
けれど、解放される感覚はない。
どうしてもどこか嘘っぽい感じがしてしまう。
その点、バラエティでは素の自分が出ているように見える。
演者としては、話が受けるのは嬉しいけれど・・・

「考えることは大切だ」
だが、あまり否定的にならんようにな。
「うん」
素直に頷くゾロは、少し幼く見える。
「人それぞれ、タイプが違う」
それに、経験が人を作るものだ。
ミホークはそう付け加えて、形の良い額に唇を落とした。
ゾロの“思うところ”が、なんとなくわかったので。
「それはわかる」
無駄な経験なんてないしな。
少し癒されたように微笑み見上げて来るゾロに、ミホークが分析した彼のタイプを告げる。
「お前の、オンオフの切り替えが上手いところは長所だ」
役に入り込み過ぎてプライベートまで持ち込むことはないだろう。
「そうかもな」
だって、せっかくの自分の時間を、ほかの誰かになりきって過ごすなんて損だろ?
「ああ。俺も、お前の前では飾らずいられる」
「ホントに?  今は演じてないか?」
舞台で解放されてんのが、本物のアンタかもしれねぇぞ。
そう思うと不安だった。
「やはり、それを気にしていたのか」
予想通りだと心の中で苦笑したミホークは、
「お前は俺にはなれん」
ときっぱり言った。
「・・・・・」
少し傷付いた顔で言葉をなくすゾロに、更に付け足す。
「俺も、お前にはなれん」
お互い様だ。
「は?」
ミホークの意外な台詞に、きょとんと見返したゾロ。
「俺のキャラは、バラエティには向いていない」
少々不満そうに口にしたミホークに、
「アンタ、こーゆー番組に出てぇのか?」
純粋な興味で訊いてみる。
「いや、昔出演して懲りた」
全く笑いが起きなかったからな。
「えーーーッッッ!?  出てたことあんだ」
そのV見てぇ!
「お前が生まれる前の話だ」
「そっか。アンタの作品は全部見たと思ってたけど・・・」
「どこかで探そうと思うなよ?」
「え?  いや、えーと・・・」
心当たりがなくもない。
ワクワクし始めたゾロは、先程までの悩みを忘れてしまったようで。

「まあ、うだうだ考えてんのももったいねぇよな」
「もったいない?」
まさか今からVTR探しに行くと言い出すのかと顔を引き攣らせたミホークに、
「そ。せっかく二人で過ごせる貴重な時間だもんな!」
気持ちを切り替えたゾロが明るく言った。
互いに忙しい身。
休日にまったり出来ている方が珍しいのだ。
「確かにそうだが・・・」
「色々考えんのは一人の時にする」
宣言されて、それはそれで寂しい気もしたミホークだが、次のゾロの提案には諸手を上げて賛成だった。
「だから、今は思いっきりイチャイチャしようぜ」


甘い戯れはソファでは収まり切らず、寝室に移動した二人はオフが終わるギリギリまでそこに籠ることになったのだとか。


そして、ゾロ一人がオフになった日。
心当たりの人物に問い合わせたところ、若手だったミホークの“過去の汚点”映像を見せてもらえたのだ。
デビューしたての初々しさが、ゾロの目には眩しく映る。
当時の映画やドラマの時の彼とはまた雰囲気が違うと思う。
所在なさげに座っていて、庇護欲が掻き立てられる。
(やべぇ。すっげー可愛い!)
が、その美少年は驚くほどの仏頂面でバラエティ番組に臨んでいて、結局紹介の時に口を開いたきりだった。
「コイツのトーク、編集で全部カットされちまったんだぜ~」
マジで面白くなかったからな。
真相を語ったミホークと同期だという赤い髪の先輩俳優は、最近監督業にも精を出している実力派だ。
その番組に一緒に出演していた彼は如才なく語り、どっかんどっかん受けていた。
「つまり、人には向き不向きがあんの」
ロロちゃんはバラエティに向いてて良かったねー!
自分もそっち側だからと笑って言われ、頭の中の霧が晴れたようだった。
(バラエティ寄りでも、こんな風に大成してる人もいるわけだし)
何にでも全力投球しようと思ったゾロは、その後も天然キャラを活かして活躍の場を広げることになる。


その夜。
「ロロノア!」
ゾロは隠していたのに、赤髪の悪友から知らされた報告で昔のVTRを見たことがバレてしまった。
怒り心頭のミホークに、
「ごめん!  どうしても見たくてさ」
と謝り、
「素のアンタも、やっぱ超カッコ良かった」
若い頃の、演じていないミホークを見られたことが嬉しかったと本音を告げる。
「・・・・・」
トーク内容は映っていなくても、きっと質問には誠実に答えていたのだろうと想像できた。
そんな不器用さが、当時のミホークの年齢を越えたゾロには愛おしく思えて。
「あ、超可愛いかった」
つい言い直してしまった。
「ロロノアっ!」
更に大声で怒鳴られたが、怒りは少し和らいだのが伝わってきて安心する。
「“経験が人を作る”んだろ?」
あん時の経験もアンタの一部になってる。
「・・・それは否定しないが」
「じゃあ、良かった」
「?」
「俺は、今のアンタが丸ごと好きだから」
殺し文句を口にしたゾロが、目の前の逞しい体に抱きつく。
「ロロノア・・・」
もうそれ以上怒れず、ミホークも若い肢体を抱きしめ返した。

「言い付けに背いたお仕置きはするぞ?」
「お手やわらかに頼むぜ」


睦み合う二人には、もともと演じる余裕などない。
今夜も体だけでなく魂ごと相手に溺れ、隙間なく愛を確かめ合う。
翌日の仕事のことは頭から追い出し、本能の赴くままに。

身も心も素のままでいられる関係は貴重。

プライベートの充実が、今後も二人の俳優を成長させていくことになるのだった。




めでたしめでたし。


参考にしたのは仲村Tオル氏のインタビュー。
彼は、舞台本番が始まった瞬間に「自分が解放される」そうです。
だから、トーク番組とかでは「良い仲村さんでいなきゃ」って思って緊張しているみたいでビックリしましたw(゜o゜)w
あと、N井貴一さんは「仕事してる時が一番ストレスを感じない」って言ってた気がします(*_*)
やっぱり役者さんの考え方って独特~(@_@)
憑依系の方もいらっしゃるって聞きますし、人それぞれなんでしょうけどね(^o^;)
 

替え歌『悲しみがとまらない』♪

 投稿者:ヨーコ  投稿日:2016年 4月28日(木)05時20分11秒
返信・引用
  先日学生時代の同窓会の話があって、ふと思い出した合唱コンクールで歌った『悲しみがとまらない』(杏里さんの歌です)♪
若い方はわからないかと思いますが、歌い上げると気持ちイイです(笑)
で、悲しくない替え歌にしちゃいましたーf(^_^;
よろしければ歌ってやってくださいませ(^人^)



I Can't Stop Thinking Of You.
こらえきれず
血がたぎる
とまらない
I Can't Stop Thinking Of You.
どうしてだろ
武者震いとまらない


アンタに勝負挑んだことを
俺は今も悔やんでない
ふたりはシンパシイ 感じてた
出会った日の戦いで

あの日アンタに
敗れなければ
俺はまだ井の中で
吠えていた

I Can't Stop Thinking Of You.
思い知った
高みにはまだ遠い


成長しろと アンタは笑う
そして指導してくれてる
いつかアンタを倒すため
技をみがく俺のことを

ふいに気付いた
アラシみたいな
激しくて くるおしい
感情

I Can't Stop Thinking Of You.
アンタ思うと
熱くなる
とまらない


I Can't Stop Thinking Of You.
教えてくれよ
この気持ち
なんなのか

I Can't Stop Thinking Of You.
こらえきれず
血がたぎる
とまらない

I Can't Stop Thinking Of You.
どうしてだろ
戦いじゃ
満たせない

(I Can't Stop Thinking Of You.
     アンタ思うと
     熱くなる
     とまらない)



以上です。
最後の()内はフェードアウトしていく感じでどうぞρ(ーoー)♪ ←どーでもいいですか(^o^;)
 

『花見』

 投稿者:ヨーコ  投稿日:2016年 4月 3日(日)04時01分36秒
返信・引用
  突発SS(こっそり心理テスト付)です。
シッケ設定でございます~(^^)



「おい、ファンタジスタ!  寝てばっかいるんじゃねぇ」
叩き起こされ不機嫌な顔で睨むゾロに怯むことなく、
「花見が出来るぞ!」
嬉しそうにペローナが笑った。
「花見?」
ピンと来ない。
シッケアールに花が咲いている場所があっただろうか?
「鷹の目が桜を取り寄せたんだ」
お前も見て来いよ。
「─────は!?」

「・・・ったく、突拍子もないことするぜ」
植えられたばかりの桜の大木の下で、呆れたように蕾を見上げるゾロに対し、
「ゴースト娘が“花見花見”とうるさかったからな」
満更でもなさそうに師が答える。
「ま、俺も酒が飲めんなら大歓迎だけどな」
「お前には禁酒を言い渡してあったはずだが?」
「ちょっ・・・いつの話だよ!?」
「つい最近だろう」
「・・・・・拷問だ」
酒のない花見なんて・・・と嘆く弟子に、
「お前が覇気を扱えるようになれば問題ない」
ピシリと言い切るミホーク。
容赦がない。
だが、そこも気に入っている。
(コイツに認められてぇ)
常にそう思う。
だから、ここで下手な慈悲は要らない。
いくらどんなに酒が飲みたくても、だ。
「ああ、そうだな」
満開になるまでに極めてやるから見てろ!


「スペシャルスイーツ、お前らにも分けてやるな」
満開の桜の下でいそいそと料理や菓子を取り分けるペローナとは対照的に、静かにグラスを傾けているミホークを見て、
(やっぱ敵わねぇな)
と思う。
弟子の成長を促す為に飴と鞭を使い分ける師匠の思惑に、まんまとハマってしまった。
シッケアールの気候ではなかなか開花し難かった桜が満開になった時には、ゾロも極意を得、無事に花見酒にありつけたのだ。
「・・っかー!」
久々の酒は特にうめぇな。
幸せそうに笑うゾロを満足そうに、だが物言いたげに見つめるミホークの視線に気付いて、
「なんだよ?」
少し照れながら問う。
「俺も久々に味わいたいものだと思ってな」
「は?  アンタはこれ見よがしに毎日ぐびぐび飲んでたじゃねぇかよ」
人の目の前で。
「酒の話ではない」
「じゃ、何の話・・・」
と訊き掛けて、思い当たる。
(ああ、そっか/////)
覇気の体得までオアズケにしていたものがもう一つあった。
「わかったか?」
真っ赤になったゾロを見て、ミホークは喉の奥で笑う。
「わからねぇ!」
「ほう?  では夜までにじっくり考えておけ」
「─────/////」

答えは考えるまでもなく。

しっかり正解を叩き出したゾロは、その夜久々にミホークの腕に抱かれて眠ったのだった。
師弟関係を越えた二人の愛が、より強固になったことを感じながら。




めでたしめでたし。



本当は昨日『にじいろジーン』で知った
「お花見の席で料理を取り分けてくれる人は、あなたの身近な人では誰?」
という心理テストを組み込んで拍手お礼文にするつもりだったんですが、アップするのがこっちの方が楽なのでつい手抜きを(^o^;)
すみません~(>_<)
ちなみに、リアルで答えが思い付かなかった私;
シッケなら迷わずペローナちゃん、ワンピ界全体でならサンジくんなんですけどねー(^-^ゞ

あ、診断結果を知りたい方は下記をご覧くださいませ(^人^)









料理を取り分けてくれる人=あなたが寂しがりやさんだと思っている人

なんだそうです。
料理を取り分けることで「周りの人に自分を見て欲しい」って思うからなんだそうですが、そこまで考えてやるかな?  と疑問にも思いますf(^_^;

次に面白い心理テストを見付けたら、拍手お礼文にしますので~(あ、どうでも良いですか?)(^o^ゞ
ここまでお付き合いくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
 

『一双』

 投稿者:ヨーコ  投稿日:2016年 3月 4日(金)03時19分51秒
返信・引用
  新設定パラレルSSです。


「プレゼントは要らないと言ったはずだが・・・」
手渡された小箱に困った顔をしているのは、付き合い始めたばかりのかなり歳上の彼氏=ジュラキュール・ミホーク。
国際線のパイロットをしている彼が、年末年始に空港の清掃アルバイトに来ていたロロノア・ゾロと出会って恋に落ちたのは、周囲にはまだ知られていない事実だった。
まだ学生であるゾロに散財をかけさせたくないという思いから、一緒に過ごしてくれることが祝いになると告げていて、ホテルを予約したのは自分。
食事をご馳走したのも自分。
笑顔でおめでとうと言ってもらえただけで、この上なく幸せだった。
職業柄世界各地を飛び回っているミホークだが、恋人がいるこの空間が、どこより楽園だと思う。
今は、夜景の見える最上階の部屋で飲み直しているところ。
充実した気持ちでグラスを傾けていたら、一旦席を外したゾロがプレゼントを持ってきたのだ。
「あー・・・うん。そうなんだけどさ」
どーしても、アンタにやりてぇモン見っけちまって。
開けてみろと手真似で促され、
「そうか。気を遣わせて悪かったな」
恐縮しながら包みを開いていく男は、今日誕生日を迎えていた。
「いーっていーって」
昨日の電話ではまた一つ歳が離れちまうと不服そうにしていた恋人は、まだ大学生。
天真爛漫で無鉄砲で少々天然。
空港内で迷子になっていた彼を案内したのが出会いとなり、それから気になって密かに緑の頭を探すようになった。
不器用ながら丁寧な仕事をしているのが見てとれ、一所懸命な姿に好感を持つまでそう時間はかからなかった。
見た目と違って古風なところも魅力なのだが、そんなゾロが選んだ物は、
「箸?」
だった。
「そ。ソレ、鎌倉彫りなんだ」
菊の模様が施された木のぬくもりたっぷりの箸。
手に取ってみると、長さも重さもちょうど良い。
「これは使い勝手が良さそうだ」
「だろー?」
体験教室で作ったんだ。
「お前が!?」
手先が器用には思えなかったので驚いて訊き返すと、
「あ、彫るとこまでで、塗りはプロの職人任せだけど」
少し申し訳なさそうに答える。
「ありがとう、ロロノア」
大切にする。
手作りのプレゼントに感動していると、
「毎日使うモンだし、実はさ・・・」
ガサガサと鞄を漁っていたゾロが、ミホークに渡した小箱と同じ物を取り出し、蓋を開けた。
「じゃーん!」
中には同じような箸が一膳。
「これは自分用に作った」
嬉しそうに見せるゾロに、ミホークも頬を緩ませる。
「夫婦箸か?」
「あー・・・そうなるのかな/////」
でも、こっちは梅柄だから。
照れて急いで仕舞い込む仕草が可愛くて、
「いっそ、同じ家で使うか?」
心のままに提案するミホーク。
「えっと、それって・・」
「プロポーズのつもりなんだが」
自信家な彼が自信なさげに覗き込んで来るのが愛おしくて、
「おう!  一緒に住みてぇ!」
返事と同時に飛びついた。

「あ、でも、まだカラダの相性はわかんねぇぞ?」
今夜の、特別な贈り物になる予定だった。
「わかる」
ゾロの体を軽々とベッドまで運びながら、ミホークは断言する。
「なんで?  まだ一回もしてねぇのに・・・」
不安げに揺れる翡翠を、普段の自信を取り戻した鷹の目が捉えた。
「俺にはわかる」
お前にも、わからせてやる。
「・・・んじゃ、わかりやすく頼むぜ」
俺、頭悪ィから。
「頭ではなく、心で理解しろ」
むろん体でもな。
「おお、そーゆーのは得意」
習うより慣れろってヤツ?

幾分色気のないやり取りの後、朝までかけてゾロの依頼は十二分に聞き届けられ・・・
二人の相性の良さはめでたく実証されたのだった。


今は一つ屋根の下、仲良く夫婦箸を使う姿が見られる。
食事のし方が嫌だという理由で別れに至るカップルもいるようだが、この二人に関しては全く問題ない。
恋人から夫婦へと形を変えた幸せな関係は、これからも末長く続いていくのだった。




めでたしめでたし。


夫婦箸ネタ元はルバーブ様でした(^^)
どうもありがとうございます!
以前、守破離SSをご覧くださった後、
“契もいいし揃とか番(つがい)なんかも・・・とネットサーフィンしてたら二膳そろって一双って云う夫婦箸を見つけたりして”
と伺い、萌えました(*^^*)
それで私も色々な箸を検索しているうち、手作りしてくれたらすごく嬉しいかなと思って書いてみたんですけど 、少しでも共感していただけたら幸いですvvv

最後になりましたが、ミホ様、お誕生日おめでとうございまず(pq´∀`)┌iiiiii┐(´∀`pq)゚゚
 

『守破離の先に』

 投稿者:ヨーコ  投稿日:2016年 2月10日(水)03時02分39秒
返信・引用
  突発SS、シッケ設定ですけどラブ度は低め(^o^;)
それでもOKとおっしゃってくださる方のみご覧くださいませ(^人^)



「しゅはり?」
「守破離と書く」
空に指で文字を書きながら説明する師を、ゾロは熱心に見つめていた。
最初は師匠の教えを守ることで型を習得。
次に型を破ることに挑戦し、やがて師匠から離れる。
「へぇ」
「お前にも、その時期が来たと言っている」
「・・・・・」

そうか。
認められたということか。
ずっと目指して来た目標からの合格点。
非常に嬉しいことのはずなのに、素直に喜べないのは何故だろう?

「なんだ。反応が薄いな」
もっとはしゃぐかと思っていた。
師であるミホークは、意外そうに呟いた。
「は。ガキじゃあるまいし」
そうそう騒がねぇよ。
「俺に言わせれば充分ガキだがな」
「うるせぇ!」

そうだ。
俺はコイツに比べたら全然ガキで。
どんなに剣の腕が上がっても敵わないとこがいっぱいあって。
いつか追い付けるのか、ましてや越えられるのか?

「ふ。まあ良い」
相変わらず口の利き方を知らない弟子にも慣れたミホークは、少し寂しげに笑う。
「良くねぇよ!」
反射的に怒鳴ってしまったゾロ。
何をどう言えば今の自分の気持ちが伝わるかがわからない。
「無礼を許してやっているのだ」
何が不服だ?
問われても具体的な答えは見付からず。
「う・・・上から目線で言うな!」
結局出てきた台詞はそんな内容で。
「お前は俺に弟子入りしたはずだ」
土下座までしてな。
「・・・おう」
その日のことを思い出し、身を引き締める。
「ならば、ここを離れたとしても、俺がお前の師であることに変わりはない」
それこそ一生だ。
「一生・・・」

ああ。
一生繋がってくんだ。
コイツと俺の関係は、どんなに離れたって変わらないんだ。
じゃあ、何も心配することはないのか。

「違うか?」
「いや、違わねぇ!」
「では、これからも上からものを言うぞ」
「それとこれとは話が違ぇだろ」
「だいたいお前がもっと下手に出るべきなのだ」
「ぁあ!?  なんでだよ?」
「弟子の態度とは思えん」
「今までんなこと言わなかったじゃねぇか」
「言う暇がなかっただけだ」
「いっつも暇をもて余してた奴が良く言うぜ」
「お前が来てからは、暇などなくなった」
退屈しなかったぞ。

ちょっ・・・
そんな瞳で見んのはずりぃだろ!
俺だって、毎日充実してて・・・
離れたくねぇって、言っちまいそうになる。
アンタの傍は、すげぇ居心地良かったからな。

「暇つぶしになって良かったな」
「ああ、そうだな」
「俺、アンタの弟子になれて良かった」
「殊勝なことを言うじゃないか」
「たまにはいいだろ」
「いつもそうだと可愛げがあるんだがな」
「可愛くなくて結構だ」
けど・・・言うチャンスがなくなっちまう前に伝えとかなきゃだな。

居住まいを正したゾロは、深々と礼をする。
「今まで、ありがとうございました!」

「ロロノア・・・辛い修業に良く耐えた」
下げたままの頭を撫でられて、ゾロは感情を抑えられなくなった。
「辛くなんか、なかった」
ここに来てからの日々が過り、目頭が熱くなる。
「そうか」
穏やかな声音が心地好く・・・
「アンタが、好きだった」
恥ずかしくて、顔を上げられないまま心の内を告げる。
「だった?」
過去形か?
頭を撫でていた手を止め、師匠はしゃがみこんで愛弟子の顔を覗き込んだ。
「・・・見んなッ/////」
ゆでダコのように真っ赤になっているゾロを見て思わず吹き出したミホークは、
「可愛いぞ、ロロノア」
頑なに直角に折ったままの体を無理矢理起こし、力強く抱きしめた。
「鷹の目・・・」
初めての行為に戸惑うゾロ。
「お前を愛しいと思っている」
現在進行形でな。
腕に力を込められての告白に、負けじと抱きしめ返す。
「俺も!  過去だけじゃねぇ」
現在進行形だし、未来だってずっと好きだぞ?
「まるで結婚式の誓いの言葉だな」
可笑しそうに笑ったミホークに対して、体を離したゾロは金の瞳を見据えて真剣に訴える。
「派手な式は出来そうにねぇが、結婚はしようぜ」
「ロロノア?」
「俺が先に誓っとく」
一生アンタを思い続けるから覚悟しとけよ。
「全く、お前は時々突拍子もないことを言う」
呆れたように言われて、
「アンタは誓ってくんねぇの?」
拗ねた口調で尋ねるゾロ。
そんな態度が幼く見えて、ミホークは心の中で笑った。
表情に出したらきっと「人が真剣に言ってんのに本気にしてねぇのかよ」などと怒るのだろうと思い、神妙な面持ちで答える。
「誓おう」
この先お前以外に心を奪われることはない。
「よし!」
これで結婚成立な。


証人がいるわけではない。
二人だけの密約。
それで充分だった。
愛の儀式は、厳かに交わされた。
肌を合わせず距離を置くことは、愛し合う二人にとって苦痛以外の何物でもなかったから。
誓いのキスも契りもごく自然に行われ、なるべくしてなった関係なのだと実感する。

「もっと早く気付いてれば良かったな」
アンタとこうしてぇって。
名残惜しくてつい口にした言葉を受けて、師である夫は静かに尋ねる。
「また会いに来るのだろう?」
「もちろん」
「ならば、問題はない」
額に口付けられ、ゾロも頷く。
「ああ。問題ねぇな」
自分に言い聞かせるように。


「そういや、守破離の先ってのはねぇのか?」
「そんなことは自分で考えろ」
「俺が自由に決められるってことか」
「まあ、そうだな」
「アンタはどう決めた?」
「さあな。忘れた」
「ちぇ」

ミホークは“守破離”の先は“継”だと思っている。
自分の持つ技術や精神は、全て弟子であるゾロに伝えた。
ゾロにもいつか、修得した剣技を誰かに継承する日が訪れるのだろう。
その時自分はどうしているだろうか。
今は想像もつかないが、孫弟子を見るのも楽しみの一つだ。
誰より愛した弟子の活躍を期待して、今は笑顔で送り出そう。
たとえ体が遠く離れたとしても、心は深く繋がっているのだから。


結婚した直後に遠恋の始まり。
まるで世界で活躍する現役アスリートのような生活だが、二人なら乗り越えられるはず。
これからは次の逢瀬を楽しみに、お互い自分磨きを怠らないストイックな生活が始まるのだった。
それでも揺らがない強い愛を手に入れた幸運に感謝して。




めでたしめでたし(?)


あんまりめでたくはないかー;
久々の更新がこんなんですみません(>_<)
“守破離”って言葉を『ニンニNジャー』で知って、なんか響きがカッコイイと思って使ってみたくなっちゃって書いてみましたf(^_^;
 

『ゆず湯』

 投稿者:ヨーコ  投稿日:2016年 1月 8日(金)03時02分28秒
返信・引用
  今回は“千里眼さん”設定です。
あ、千里眼感はないですけど(^o^;)



「スゲーいっぱい柚子入ってる!」
浴室に入ったとたん良い香りに包まれ、ゾロははしゃいだ声を出す。
「もう冬至済んだのにな」
と付け足していると、脱衣所から返答があった。
「アキコさんがご近所さんから貰ったそうだ」
ジュラキュール家の家政婦アキコは料理上手。
吸い口だけでなく、漬け物に入れたり柚子釜にしたり、柚子味噌やジャムにして、ある程度保存しても余ってしまった分を風呂に入れたようだ。
「へー」
俺、毎日ゆず湯でもいいなー。
柑橘系の香りはゾロ好みだった。
入浴剤とは違う自然な香りはまた格別だ。
そういえば、冬至の日はゾロが学生仲間との忘年会で一緒に入浴出来なかったのだったと思い出し、
「アンタも早く入って来いよー」
今日は夫とこの幸せを共有したいと急かす。

「おい、あまり搾るな」
服を脱ぎ終え現れたミホークは、柚子が既に幾つか潰れているのを見て、慌てて注意する。
「え?  なんでだよ?」
超イイ匂いじゃんか。
「それはそうだが・・・」
ミホークも、柚子の香りが嫌いなわけではない。
「体もあったまるし、いっぱい搾った方が良くね?」
更にほかの柚子に手を伸ばすゾロを、
「肌がピリピリするだろう」
と、意外な言葉が引き止めた。
「─────は!?」
ピリピリ?
「お前は大丈夫なのか?」
「全然平気」
逆に不思議そうにされて、
「そうか」
それ以上は何も言えなくなるミホーク。
「あっ、アンタ、敏感肌だったんだっけ」
そういや夏も日焼け対策してたような・・・
事情を察した妻は、そこで気遣いを見せる。
てきぱきと搾った柚子を外に出し、浴槽の栓を抜く。
「ロロノア、何も湯を抜くことはない」
「いや、俺、アンタと一緒に入りてぇからさ」
答えて、まだ無事だった柚子達も丁寧に洗い始めた。
「皮を良く洗って入れれば、ちっとはマシなんじゃねぇか?」
的を射たことを言う妻だったが、裸で作業しているのは心配だ。
「それはありがたいが、体が冷えてしまうぞ」
一旦上がって体を拭け。
ミホークはまだ濡れていなかったが、ゾロは湯船に浸かっていたのでどんどん体温が下がっていくはずだ。
「後でゆっくりあったまろうぜ」
二人で一緒に。
「それまで時間が掛かる」
そこにはまだ半分以上抜けきっていない湯があり、広いバスタブに新たに湯を張るのならば、相当待たなければならないのは必至。
「じゃあ、今はアンタがあっためてくれよ」
了承を得る前にシャワーで柚子エキスを洗い流したゾロは、勢い良くミホークに抱きついた。
「ロロノア・・・」
「ほら、早く!」
寒ィって。
ふざけてグイグイ迫られ、その仕草にも愛しさが募る。
「全くお前という奴は・・・」
両手でゾロの顔を挟んで深く口付けるミホーク。
(どこまで俺を虜にすれば気が済むんだ)
心の声は表に出さず、
「風邪を引くなよ」
命令口調で告げると、
「アンタもな」
不敵な笑みで切り返された。
「ゆず湯で風邪を引いたらシャレにならんな」
「違いねぇ」

笑い合って、愛し合う。
柚子の香りに包まれた湯気が立ち上る浴室では、新たな熱が生まれていた。

「・・・ぁあ・・っ」
つい艶っぽい声を出してしまった妻に、
「お前の方が余程敏感肌だな」
からかい混じりに囁く夫。
「・・っかやろ。そりゃ意味が違ぇだろ/////」

そんなやり取りの後で、ゆっくり汗を流したゆず湯は、予想以上に温まったとか。
ミホークの肌が炎症を起こさずに済んだことも万々歳。
しかし、これからは柚子を浴槽内で搾るのは我慢しようと健気な妻が密かに誓ったことは、夫も柚子を貰ってきた家政婦も気付いていないのだった。




めでたしめでたし。


ゆず湯、気持ち良いですよね~vvv
ヨーコも大好きです(*´∀`)
後でピリピリするのがわかってても絶対搾っちゃうんですけど、最近は湯船から上がる直前にすることに決めました。
で、香りを満喫した後、すぐに洗い流しちゃう作戦です(^-^)v
ピリピリ対策の記事を見付けたのでご参考までにどうぞ♪

http://blog.tanosimujinsei.com/1244.html
 

『しゅうちゃく』

 投稿者:ヨーコ  投稿日:2015年12月 9日(水)03時15分43秒
返信・引用
  バックパッカーを気取って家出まがいの旅を続けて来たゾロだが、家族が彼を捜している様子はなかった。
そのうち帰ってくると思われているのだろうが、ゾロ自身はもう家に戻るつもりはない。
干渉されっぱなしの生活に、そろそろ限界を感じていたのだ。
このままでは、就職先や結婚相手ですら勝手に決められる。
そんな人生はまっぴらごめんだ。
たとえ貧窮したとしても、今の自由気ままな旅がゾロにとっては楽しくて仕方がない。

しかし、問題がないわけではなかった。
「路銀も尽きたし、腹減ったし・・・」
体力的に今日はもう先に進むのは難しい。
元より目的地がある旅ではないのだ。
急ぐ必要もないし、と足を止める。
「それにしても、ここらには宿はおろか家もねぇ」
地図には載ってんのにおかしくね?
生来の方向音痴が祟って、人里離れた辺鄙な場所をぐるぐる回っていたゾロ。
歩き疲れて座り込んだ時には、もうすっかり日が暮れていた。

「あれ?  灯り見えんじゃん!」
微かに見えたオレンジ色の光は、ゾロの目と心をキャッチ。
温かそうな灯りにはもう一歩も動きたくない気持ちを払拭するだけの威力があり、その目印に向かって一直線に進んでいく。

「でけぇ屋敷だな」
ここならちょっとの間くらい泊めてくれんじゃね?
甘い考えで門を叩いたゾロだが、
「男手は余っている」
何でも手伝うからしばらく置いて欲しいと懇願した途端、家主からピシリと断られた。
なんとも高圧的な態度と射るような鋭い金の瞳に気圧されながらも食い下がる。
「そこをなんとか・・・今夜だけでも!」
飯食わしてくれて、納屋の端っこにでも寝かせてもらえれば良いんで。
「うーむ・・・」
しばし考えていた家主は、
「何でも手伝うと言ったな」
と確認してきた。
「はい!」
俺に出来ることなら。
希望が見えてきたゾロは、その時笑顔で返事をしたことを今になって悔いていた。

「なんだよ、このカッコは/////」
食事は美味かった。
広い風呂も堪能させてもらった。
しかし!
フリフリのエプロンドレスにヘッドドレスまで着けさせられたゾロは、しぶしぶ家主の部屋を訪れる。
(変態・・・なのか?)
まあ、こんな人里離れた辺鄙な場所を拠点にしているというだけでも、相当変わった人物なのだろう。
それにしても、メイド服を着せた男をどうしようというのだろうか?
ゾロは大柄だし、筋肉質だし、女子っぽい要素は皆無だ。
(うーーーーーん・・・)
気が進まずドアの前に立ち竦んでいると、
「入れ」
気配を察したのか、中から声を掛けられた。

「失礼しまーす」
意を決してドアを開けると、
「酒に付き合ってもらおうか」
相変わらず威嚇するかのような態度で指示された。
その内容に拍子抜けする。
「そんなことなら喜んで!」
元来酒好きなゾロは本心から喜んで答えていた。
「酌をしてくれる者はここにはおらんからな」
「そうなんですか」
頷いてみたものの、
(酌すんのが俺で良いのかはビミョーだけどな)
心の中で首を傾げつつ、ゾロは家主の傍らに座ったのだった。

「アンタ、酒強ぇな」
酔いが回って来たゾロは、すっかりタメ口になっていた。
「お前もな」
表情には出ていないが、多少上機嫌になっているのだろうか、グラスを重ねるうちに家主は饒舌になる。
「うちには年老いた使用人が多い」
若くて力のあるお前が入ったら、その者達の仕事がなくなってしまう。
「そうなんだー」
「延いてはその家族の生活にも支障が出よう」
「あー・・・」
その為に、男手は必要ないと言ったわけか。
(見かけによらず、案外優しい主人なんじゃん?)
ウチの親父とは大違いだぜ。
少し感動したゾロだが、酔いも手伝って、
「いやー、それにしても俺に女のカッコさせるなんて、ただの変態ヤローだと思ったぜ」
率直な意見が口を衝いて出てしまった。
「そう言えば、嫌がって帰ると思ったのだがな」
眉を上げて答えた家主は、この状況を楽しんでいるようだ。
「え!?」
そーゆー意味だったのか?
自分の行動を顧みてじわじわ後悔していたゾロに、
「しかし・・・」
と、その後涼しい顔で付け足されたのは、
「似合わなくもないので驚いている」
というこちらもビックリな台詞。
「・・ちょっ・・・なんだよ、それ/////」
言われた意味を考え照れてしまう。
「その格好で働いてもらっても良いな」
「いや、ソレは勘弁してくれよ!」
足がスースーして落ち着かねぇから!
「ならば、酒を酌み交わす時限定ならばどうだ?」
「・・うーん・・・」
少し考えた後で、ゾロははたと気付く。
「あれ?  じゃ、俺、しばらくここにいて良いってことか!?」
主人の意図を理解して大声を出したゾロに、
「客人としてなら」
今まで見られなかった家主からの笑顔と共に嬉しい返事が与えられ・・・
「サンキュー!  え~と・・・」
「ジュラキュール・ミホークだ」
「俺はロロノア・ゾロ」
よろしくな!

やっとお互い名乗り合った二人が、その後関係を深めていくのに長い時間を要することはなかった。
何しろ、傍にいると心地好いのだ。
話をしていてもいなくても、同じ空間にいて快い相手にはそう簡単に出会えるものではない。
メイド服で酌をするという条件もいつの間にか撤廃されていた。
お互いに好意を抱いているのは誰が見ても明らかで、使用人達もゾロには一目置いていたし、それだけでなく主人の目を盗んで彼らを手伝ってくれる客人は初めてだったので、すっかり仲良くなっていたのだった。

居心地の良い場所を見付けてしまったゾロは、ミホーク宅に永住したいと申し入れた。
先の理由で男の使用人が増えることを良しとしない家主からは、
「妻としてなら受け入れよう」
という申し分ない答えを得て、二人の夫婦生活が始まった。
体の相性も最高だと知るのは、その日の夜まで待てずベッドインした真昼のことだったとか。


旅の果てに見付けたのは新しい我が家。
ゾロの家出は、安住の地を得たことで無事完結した。
愛し愛され、周囲からも祝福された温かい家庭は、これから先もずっと続いていくだろう。
自分で切り開く人生はそれだけで幸せなものだが、唯一無二の伴侶を得て彼の未来が更に光輝くことになるのは、違えようがない。
運命の導きと思われる出会いに感謝している二人。
その時の気持ちを忘れないように、という理由だけではないかもしれないが、今でもたまに奥方がメイド服を着て夜を過ごすことがあると、洗濯係が証言している。
ただ、酒の相手だけで済んでいるかどうかの真相は、残念ながら本人達以外にはわからないとのことだった。




めでたしめでたし。


頭の中で芽生えた萌えは、ゾロにメイド服=ご主人様に忠実・・・的なものだったんですけど、出来上がったらなんだか違う話に(´▽`;)ゞ
ヨーコの書くSSはこんなものだとお許しくださいませ~人( ̄ω ̄;)
タイトルを仮名書きにしたのは“終着”“執着”“祝着”の三つの意味を持たせたかったからです(^^)
 

『イントゥ・ザ・ウッズ』

 投稿者:ヨーコ  投稿日:2015年 8月29日(土)03時03分49秒
返信・引用
  「なんだここ?」
さっきも通った気がするぞ。
ゾロずきんちゃんは病気のおばあちゃんのお見舞いに行く途中。
籠に入れたパンを持って森の小道を進んでいました。
その深い森はどこを見ても同じように見えます。
「う~ん・・・」
迷ったことを認めたくないゾロずきんちゃん、とりあえず持っていたパンを一つかじります。
「腹が減っては戦は出来ねぇからな」
誰と戦うんだというツッコミは置いておいて。
触発された食欲に負け、歩きながらもパンはどんどん減っていきました。
このままではおばあちゃんにの家にたどり着く前に、バスケットが空になってしまいそう。

「お嬢さん」
しばらくするとゾロずきんちゃんを呼び止める声が聞こえました。
「ぁあッ!?」
俺は女じゃねぇぞ!
と眉間に皺を寄せて振り返って見ると、そこには金の瞳のスタイリッシュなオオカミホークが。
オオカミホークは、オオカミの牙と猛禽類の瞳を併せ持つ狩りの得意な肉食系男子です。
「それは失礼」
格好で判断してしまった。
それほど悪びれもせず謝ったオオカミホークは、続けて質問に移ります。
「そんなに急いでどこへ行くのだ?」
「森の奥のばあちゃんちだよ」
悪ィか!?
不機嫌そうに答えるゾロずきんちゃん。
さんざん歩き回って疲れているのも手伝って、口調が荒くなっているのでした。
「ああ、その家なら良く知っている」
これからそのばあさんを食いに行くところだからな。
金の瞳のオオカミホークは、重要な後半部分は口に出しません。
ゾロずきんちゃんを警戒させたくなかったからです。
(そうだ。先ににコイツを食ってやろう)
柔らかくて美味そうだ。
一日に二人も獲物がある日など、めったにないことです。
舌なめずりをしている様子には気付かず、
「マジで!?  ここからどんくらいで着く?」
瞳をキラキラさせて尋ねるゾロずきんちゃんを見て、オオカミホークは心をときめかせました。
(なんと愛らしい!)
しばらくは遊んでやっても良い。
前菜にするには惜しいと考え、その場でガブリといくのはやめます。
(デザートにするのが得策だ)
それには、逃がさないようにしなければ。
親切にして、仲良くなってしまえば良いとオオカミホークは考えました。
「間もなく着くが、せっかくの森をもっと楽しんでから行くと良い」
ここには美しい花も咲いている。
そう言って、一輪の花をゾロずきんちゃんに手渡すオオカミホーク。
その仕草はまるで紳士です。
「いや、寄り道すんなって言われてる」
両親から厳しく言い付けられているゾロずきんちゃんは、花を受け取ったものの心動かされてはいません。
それを素早く悟り、
「では、すぐそこの泉で一休みしては?」
恭しく案内をするように促すオオカミホークは、とても賢い生き物です。
また優雅な振る舞いが魅力的でもありました。
ゾロずきんちゃんは両親の言い付けと目の前の誘惑を秤にかけた後、思い出したように言いました。
「そーいや、喉が渇いたな」
先程までパンを食べていたので、水分を欲していたのも確かでしたし。

結局オオカミホークの後に続いて泉まで行ったゾロずきんちゃんは、その景色に魅せられました。
「超キレーじゃん!」
木々の緑にお日さまの光を受けた泉がキラキラ映えます。
「気に入ったか?」
「おう!  連れてきてくれてサンキューな!」
オオカミホークはお礼を言われて戸惑います。
ゾロずきんちゃんの笑顔が、キラキラの泉より輝いて見えたからです。
(どうしたというのだ?  俺はまさか・・・)
ドキドキする心臓にオオカミホークが無言になっていると、水を飲んで満足したゾロずきんちゃんがバスケットからパンを取り出しました。
自分が食べる為ではなく、
「アンタも食えよ」
とオオカミホークに差し出したのです。
「それはお見舞いの品だろう?」
受け取れないと手を振ると、ゾロずきんちゃんは正直に頷きます。
「けど、ちょっとくらい大丈夫だ」
既に残り少なくなっているパンは、あと一つ二つなくなっても大差ないと思っているのです。
「しかし・・・」
俺が食いたいのはパンではない。
とは言えず口ごもるオオカミホークを見て、ゾロずきんちゃんはパンをちぎりました。
「遠慮してんなら、半分こしようぜ」
一緒に食った方が美味いしな。
片割れを頬張って、オオカミホークに残りの半分を渡します。
(ああ・・・なんと愛おしい)
パンを受け取り、オオカミホークは自分の考えを改めました。
「では、馳走になろう」

そのパンがことのほか美味しかったのは、たぶんゾロずきんちゃんと一緒に食べたから。

「パンの礼に、森の奥まで案内しよう」
「そりゃ助かる」
二人はまるで友達同士のように、おしゃべりをしながら森を進みました。
おばあちゃんの家に着いても話が尽きることはありません。
「話し足んねぇな」
名残惜しそうにゾロずきんちゃんが言うと、
「では、続きは帰り道で話そう」
と提案するオオカミホーク。
「え?  待っててくれんのか?」
ゾロずきんちゃんは嬉しくなって、
「じゃ、ソッコー見舞い終わらせてくる!」
本来の目的をおろそかにしてしまったのでした。

(俺としたことが・・・)
本来の目的を果たせていないのはオオカミホークも同じ。
ゾロずきんちゃんはおろか、おばあちゃんを食べることすら出来ていません。
ゾロずきんちゃんが悲しむ顔を見たくないからです。
これからも、ずっと笑顔でいて欲しい。
おばあちゃんの家の外で待っている間に、オオカミホークの心の中で、二人を食べようという気持ちが消えてなくなっていました。

「待たせたな」
「ずいぶんと早かったが用は済んだのか?」
「おう!  また来るって言っといた」
「では、森の出口まで送ろう」
森の道を二人で歩くのは楽しくて。
おしゃべりが途絶えても、見つめ合うだけで満たされた気持ちになって。
出口まで来た時、二人ともこのまま別れるのがとても寂しいと思いました。
「今度はアンタにパンを届けに来るよ」
ゾロずきんちゃんは、次に会う為の理由を探します。
「それは楽しみだ」
オオカミホークは森を出ることがかないませんから、ここで待つしかないのです。
「あ、えっと・・・パンがなくても来てもいいか?」
今月のおこづかいは使いきってしまっていたことを思い出したゾロずきんちゃんは、パンが買えないせいで来月まで森に来られないのは嫌だと思いました。
ゾロずきんちゃんの願ってもない申し出に、
「無論だ。いつでも歓迎しよう」
オオカミホークは笑顔で答えます。
「じゃ、また明日来る!」
ゾロずきんちゃんはオオカミホークに負けないくらいとびきりの笑顔で帰っていきました。

宣言通り、翌日から毎日のように森を訪れるようになったゾロずきんちゃんは、
「俺も森に住もうかな」
ある日ふと思い付いてオオカミホークに言いました。
「それは良い考えだ」
オオカミホークは、そこでもっと良いことを思い付きました。
「一緒に住む家を建てよう」


深い深い森の中、綺麗な泉のすぐ傍に、可愛らしい家が建っています。
町の家達と比べたら少し小さいのかもしれませんが、日当たりが良くて過ごしやすい優良物件です。
ちょっと天然で愛くるしいゾロずきんちゃんと、ダンディーで包容力のあるオオカミホークは、森の仲間達に祝福されて、そこで仲良く暮らし始めました。
今まで遠かったおばあちゃんの家もご近所さんになり、良いことずくめ。
ゾロずきんちゃんが頻繁にお見舞いに行くようになったからか、おばあちゃんもとても元気になったそうです。

幸せあふれる森の中のお話でした。




めでたしめでたし。


え?
ゾロずきんちゃんが食べられちゃう危険はないのかって???
もちろん、別の意味で毎晩美味しくいただかれてることは言うまでもありません(゜∇^d)!!

ちなみに『イントゥ・ザ・ウッズ』のオオカミ役はJョニー・デップでしたが、妙にエロく見えました~(笑)
 

『インザヒーロー』

 投稿者:ヨーコ  投稿日:2015年 8月19日(水)04時26分46秒
返信・引用
  久々の突発SSは『NGO。』設定です。
ラブラブ感は薄いかも・・・なので、それでもOKという方のみご覧くださいませ(^人^)



「オトナになったらセイギのミカタになる!」

幼い頃に宣言していた通り、成長したゾロは戦隊モノのヒーローになっていた。
といっても、スーツアクター。
いわゆる“中の人”だった。

今日は遊園地のヒーローショーで一暴れした後、スーツを脱いだメンバー同士で飲みに行こうという話になった。
ある程度の酒が入ると愚痴が飛び出すのは世の常だろう。
「俺ら、芽が出ないまま引退ってことになっちまうのかなぁ」
レッド役はもう30代半ばを過ぎて、弱気になっている。
「わー!  それ禁句だからやめて~」
イエローはまだ若いものの、ほかのバイトとの掛け持ちにめげそうになっていた。
「私はまだ諦めてないからね!」
情熱ハンパないピンクは、気も強い。
「お前は最悪嫁に行けばいいだろ」
ブルーは現実を見て、こっそり就職活動を始めるつもりでいる。
「あー、男女差別~」
今は男が“主夫”になる手だってあるんだからね!
「なるほど」
「バカ!  納得してんじゃないわよー」
この世界で生きてく覚悟してたんじゃないの?
ピンクとブルーが取っ組み合いになりそうなところを止めたのは、グリーン役のゾロの一言だった。
「みんな、今の仕事嫌いなのか?」

「「「「・・・・・・」」」」

即答出来ない仲間達に、
「俺は夢叶ってっけどな」
と笑顔を向けたゾロは、グラスの中身を一気に呷った。
「グリーンの夢って、スーツアクターで終わることか?」
レッドが代表で問い掛ける。
「終わるって・・・いや、そーゆー考え方はしたことなかったな」
毎日の稽古も楽しいし。
「お前、お気楽だなー」
ブルーが羨ましそうに呟いた。
「ってか、みんなヒーローになれて嬉しくね?」
ゾロの更なる質問に、再び絶句するメンバー達。

「ヒーローなら、表の顔になりてぇだろ」
役者としての切実な思い。
どうせなら、演じているのが自分であることを世間にも知って欲しい。
今の状態では、主役達の影のままだ。
イエローの台詞に頷く一同。
「アクションはスーツアクターのが本格的で面白いと思うけど」
狭い視野で台本通りの動きをする難しさはあるものの、ほかの演者との呼吸がピッタリ合ってOKが出た時の喜びはひとしおだ。
決めポーズも最高に心地好い。
もともとゾロは体を動かすこと自体が大好きで、今の仕事を選んだ節もある。
俳優として大成しようという野心はあまりなかった。
「そういうノリでやってるから、グリーンは動きがイキイキしてんのかもな」
メインのレッドのアクションが霞んじまうくらいに。
後半部分は心の中でこっそり付け足したブルー。
正直、ゾロの考え方が羨ましかった。
「意外とそんくらい無欲なヤツの方が大抜擢されたりしてね」
微笑んだピンクの感想を最後に、その談義は終了したのだった。


「なるほど。結局ピンクの言葉通りになったわけか」
無欲の勝利だな。
今や若手で一二を争う人気俳優になっているゾロは、もともと戦隊ヒーロー物出身。
が、その前に短期間だがスーツアクターをしていたことは公式発表されていない事実だった。
事務所代表であり、現在共に暮らしているゾロの伴侶ミホークでさえ今知ったのだ。
寝物語にと昔話を所望したところ、再現VTRのように上記の話の登場人物を演じ分けたゾロを、少々見直した。
(一人芝居をやらせてみても良いかもしれんな)
舞台はやり直しのきかない一発勝負。
NG王として名高いゾロに務まるのかどうかは疑問だが、その仕事をやり遂げたら、きっと役者として大きく成長するはず。
俳優の先輩として、また彼をプロデュースする立場の人間として思案していたミホークだが、次のゾロの言葉に興味を引かれ意識を戻す。
「んー・・・無欲ってのとは違う」
そん時はまだ次の目標が見付かってなかったってゆーか。
「次の目標?」
「え~と、夢が変わったって言えばいいのかな」
先程の再現Vを頭の中で再生し、ゾロの子供の頃の夢が“正義の味方”だったと思い出すミホーク。
「正義の味方として悪と戦う夢は叶ったから満足した」
けど、叶った時点で夢は夢じゃなくなるじゃん?
「新たな夢を求め出したということか?」
「そ。で、ラッキーなことにすぐ見付かった」
いたずらっぽく笑ったゾロは、ミホークの顔に手を伸ばした。
「どんな夢だ?」
今は叶っているのか・・・と問おうとした唇を柔らかく塞がれる。
「アンタと共演してぇって、思った」
当時の俺にしたら、すげーデカイ夢だろ?
スーツアクター時代に、ミホークの演技を見る機会があった。
圧倒的な存在感。
雷に打たれたような衝撃が体を走り、自分もその場に立ちたいと強く思った。
その瞬間を思い出すと、今でも震えるほどだ。
唇を離した後照れくさそうに答えたゾロは、たまらなく可愛いくて愛しくて。
「ロロノア・・・」
呼び掛けながら、目の前のしなやかな肢体を抱き締めるミホーク。
「がむしゃらに頑張ってたら、道が開けた」
そう、既に二人の共演は実現している。
「ああ。お前の努力の賜物だ」
「けど、人間て欲深いな」
共演するだけじゃ満足出来なくなっちまった。
「確かに欲深い」
お前を丸ごと手に入れたいと思ってしまった俺を責めるか?
「責めるわけねぇじゃん!」
ぜってー俺の方が強く望んでた。
「では、双方の合意の上で、ということで良いな」
まるでデュエットの掛け合いのように互いへの想いを口にする二人。
「けど、まだまだ夢の途中だ」
いつかアンタを越えてぇし。
役者としてだけではなく、一人の男としても、ミホークはゾロの目標だ。
その器に至るまでには、どれだけ時間がかかるだろうか。
夢の形はどんどん変わっていく。
「欲が尽きることはないからな」
俺も成長を止める気はない。
ミホークにとってもゾロの存在は大きな刺激になっていて、出会う前と比べて演技の幅が格段に広がっているのは確かだった。
お互いに高め合える関係は、長続きするはずだ。
おそらく、一生。

ずっと密着していると、別の欲が湧いてくるのは自然の摂理。
熱い想いを告げ合っていれば尚更だろう。
「やべぇ」
すげーしたくなってきた。
「奇遇だな」
俺もそう思っていたところだ。
結局その熱い欲に素直に従った二人は、朝までほとんど眠っていない。

翌日の撮影前、肌のコンディションは悪くないというメイクさんからの感想を聞き、たとえ寝不足でも幸せな時間を共有すると肌には良いのかも、とくすぐったい気分になったゾロ。
それでも、これからは行為に没頭し過ぎないように気を付けようとは思う。
デビュー当時から心掛けていた、ベストコンディションで仕事に臨むという姿勢を崩したくはないから。
それは尊敬してやまない大先輩ミホークも励行していることなので、自分がベテランと呼ばれる時が来ても続けていきたい。
望んで“見られる職業”に就いたのだから、自覚はしている。


昔正義の味方を夢見ていた子供は、ヒーローを経て、今は人に夢を与える大人に成長していた。
この先、ゾロに憧れたチビッ子達が俳優を目指したりするかもしれない。
今日も精一杯頑張るゾロがNG王を卒業し、一人芝居を成功させる日が来るのは、そう遠くない未来なのだった。




めでたしめでたし。


最近の戦隊ヒーロー物ではイエローが女の子ってことも多いですけど、この話の中では昔ながらの紅一点設定にさせていただきました。
NG王ゾロがスーツアクター出身ってのは『インザヒーロー』(唐沢T明氏主演映画)を見た時に思い付いためっちゃ後付けf(^^;
行き当たりばったりですみません~~~(>_<)
 

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